「告解」50代男性へのおすすめ度
★☆☆☆☆ ← 50代男性には、おすすめできません。
あらすじ
内容紹介(「BOOK」データベースより)
飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。
翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。
自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔ー。
失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役四年を超える実刑だった。
一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。
贖罪の在り方を問う、慟哭の傑作長編。著者情報(「BOOK」データベースより)
薬丸岳(ヤクマルガク)
1969年兵庫県生まれ。
2005年に「天使のナイフ」で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
2016年に『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を、
2017年に短編「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
キーワード
交通事故、認知症
感想
酷い小説を読んでしまいました。
こんな小説を書く意味って何なんだろう? というのが感想です。
登場人物たちの気持ちがまったく理解できなかった
「告解」のメインの登場人物は、20代の男女、20代男女の親にあたる世代の50代男女、50代男女の親にあたる80代の男性です。
私のような50代のおっさんからすると、身近な三世代になります。
自分たちの子供は20代。
自分たち夫婦は50代。
自分たちの親は80代ですから。
世の中には、この三世代で同居されている家族も多いと思います。
何が言いたいかというと、50代のおっさんである私は、この三世代(登場人物たちの世代)について他の世代よりも理解しやすいということです。
ですが、私は(他の世代の読者さんたちよりも「告解」の登場人物たちの考えが理解できるはずなのに)、彼らの考えがまったく理解できませんでした。
どうしてこの人たちはこんな行動をとるのだろう?
なんでこんな気持ちになるのだろう? の連続でした。
そして、「告解」を最後まで読んだ感想は、「すべての登場人物が可愛そう。そして、読者はもっと可愛そう!」です。
50代もそうですが、「告解」は若い世代にはまったくおすすめできません。
若い世代の人たちには、楽しい小説を読んでもらいたいです。
冒頭にも書きましたが、こんな小説を書く意味がまったく分かりませんでした。
つまらないだろうとの予感が的中
スタートから既視感のあるテーマ・モチーフの小説で、「大丈夫なのかな?」と思って読んでいたら、やっぱり陳腐でした。
はじめは、たんたんと出来事を綴る文章で、情緒はないものの事実を追うだけなので、読み進めやすい点はありました。
そのうち、難解な苗字の主人公がでてきて、またこのパターンかと心配になりました。
ここ数冊、難解な苗字の主人公が登場するミステリー小説を続けて読んでいて、それらがつまらないモノばかりでしたので、心配になったのです。
「告解」の33ページを読んでいる時に、「陳腐なんだけど大丈夫かな?」という不安が頭をよぎりました。
145ページで、何となく先が、結末が見えた気がしました。
アパート → 老人 → 介護(入院) → 付き添い → 再開 という展開が見えて嫌な予感がしました。
176ページで、予感的中です。
「すげえ陳腐なんだけど、こういう小説を書く意味って何なんだろう」との結論に至りました。
最近、認知症患者が登場する小説が多すぎる
「告解」にも認知症患者が登場します。
ここ最近、意識して選んでいないのに、認知症患者が登場する本に頻繁に遭遇します。
読者としては正直言って「もういいよ」って感じです。
あげくには、認知症患者がミステリー探偵として活躍する小説までありました。
認知症をエンターテインメント化しているようで辟易しました。
こんな小説書かれたら、家族に認知症の方がいる人はつらいだろうなと思いました。
認知症は、いまや日本の社会問題です。
毎日のように様々なメディアに取り上がられているので、テーマやエピソードとして小説に取り入れやすいのは分かりますが、一人の読者としては多すぎる、扱いすぎだと思っています。
「他にないんですか? 浮かばないんですか? 作家さんたち」って感じです。
「告解」に登場する認知症患者は、元学校の先生でした。
元学校の先生は、生真面目な性格の人が多くて認知症になりやすいんです。
この事実はかなり知られたことです。
つまりそういうことです。
このブログでは、はじめから「告解」は陳腐で読む価値がないと言っています。
薬丸岳さんのファンはきっと、怒っていると思います。
なにが陳腐なのかと。
だけど、私からするとこの小説に登場するエピソードは、ほとんどに既視感があるのです。
知っていることばかりなんです。
よって「告解」は、私にとって新鮮味がまるでない、つまらない小説となるのです。
人生経験が豊富な50代男性もきっと同じように感じるであろうと予想できるので、50代男性には「告解」はお勧めしません。
薬丸岳さんのファンには申し訳ないですが、この評価は変えられません。
今回は、50代男性にはおすすめできない「告解」を紹介しました。