「奇跡集」50代男性へのおすすめ度
★★☆☆☆ ← 若い人向けの小説にも目を向けたい50代男性向け
あらすじ
内容紹介(「BOOK」データベースより)
同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見しらぬ男女たちがつなぐ、幸せのふしぎスイッチ。
小さいけれど確かに人生を左右する(かもしれない)7つのミラクルを描く、7話の連作短編小説!
キーワード
電車、朝、停車、尾行、遅刻
感想
「奇跡集」つまんなかった
小野寺史宜さんの小説を読んだのは「奇跡集」で3冊目。
はじめて読んだ「ミニシアターの六人」がとても良かったので、続けて2冊目も読みました。
2冊目の「ひと」は、私が得るものはほとんどありませんでした。
「ミニシアターの六人」が良かったので、とても残念に感じました。
今回、思い切って3冊目にトライしてみたのですが、さらに残念な気持ちになりました。
当分の間、小野寺史宜さんの小説は読まないことに決めました。
すべてが薄っぺらい
「奇跡集」は、「ミニシアターの六人」同様、連作短編小説です。
連作短編小説、私は好きです。
好きなのでスラスラ読みたいなと期待して読み進めていたのですが、期待したのとは違う意味でスラスラ読める小説でした。
- 私が期待したスラスラは、ワクワクしながら読めて先の展開が楽しみな状態。
- 期待したのとは違う意味のスラスラは、内容が薄っぺらいので何も考えず読める状態。
「奇跡集」は「何も考えずスラスラ読める小説」でしたので、総じて残念でした。
次に、私が「奇跡集」を読み進めながら、どのように感じていたかを時系列でご紹介します。
「奇跡集」を読んでみようとお考えの方の参考になりましたら幸いです。
同じシーンの繰り返しでうんざりさせられる7話の連作短編小説!
読み始めから読了まで、私の心のつぶやきを時系列でご紹介します。
- 簡単な文章すぎるのもちょっと(深みを感じられないという意味です)。
- 登場人物たちがみな若いので、50代はちょっと入り込めないかも。
- 同じ光景のエピソードを繰り返し読むことになるため、またかよ感がでてくる。
- 一文一文が短く、読み進めるペースがつかめない → つたない文章の子供向け小説と感じてしまう(作者はそうは思っていなくても読者は小学生低学年向けの文章に感じる)。
- 同じシーン(文章)が何度も繰り返されるので、またかとうんざりさせられる。
- あまりにもセンテンスを区切りすぎるので、理解に苦しむ文章が多々あった → 何度も読み返さないと理解できないということ → これらによって情緒が薄くなりストーリーをダメにしている。
- なんだか読み進めているうちにどうでもよくなっちゃって、なかなか前に進めない(読み進めるペースが落ちてしまう)。
- 何事にも一歩引いた感のある登場人物たちが多く、少しイラつく。
- つまんねえ本だな!(196ページ)
- 最後の章(7話目)は、テンポは良かったが内容が陳腐だった。
- 総じて残念。(252ページ)
- すべてが薄っぺらい。
それでも、いくつか気に入った文章がありましたので、次でご紹介します。
私が気に入った文章
わたしは何か邦画にするつもりでいた。が、あまり観たいものがなかった。重そうなものが多かったのだ。その手の映画は苦手。わざわざお金を払って沈んだ気分にはなりたくない。(115ページ)
まったく同じ意見です。
でも。何だかんだで魅力があるのだ、動画には。
テレビ世代とネット世代の境目は今の三十代だとよく言われる。(159ページ)
ほう、そうなんですね。知りませんでした。
ここで言っている「動画」は、ユーチューバーなどが公開しているネット動画のことです。
「動画」と聞いて30代以上はテレビを思い浮かべるが、20代以下はネットを思い浮かべるそうです。
2020年に書かれた文章です。
実麻は悪口なんて言わない。義母のこともダンナのことも恨んでない。生きてればものごとがうまくいかないときもある。そんなふうに考えてる。(239ページ)
「生きてればものごとがうまくいかないときもある。」
改めて自分もそう思いました。
まったくその通りです。
再認識させてくれてありがとう。
今回は、若い人向けの小説にも目を向けたい50代男性向けの「奇跡集」を紹介しました。
小野寺史宜さんの小説に興味のある方はぜひ、下記の画像をクリックして、読んでみてください。
【小野寺史宜さんの小説】