「ホテルローヤル」50代男性へのおすすめ度
★★★★★ ← 50代男性には必ず読んでもらいたい
あらすじ
内容紹介(「BOOK」データベースより)
北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開くー。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。
キーワード
ラブホテル
感想
この本のように「エッチな小説」が好きな方は気に入ると思います。
はじめて読んだ桜木紫乃さんの小説が「ホテルローヤル」。
第149回の直木賞を受賞した作品。
2020年に、女優の波留さん主演の映画「ホテルローヤル」が公開されるとの情報を見て、
興味をひかれて読んでみました。
ホントは、 「ラブホテルが舞台の短編小説」という部分に、一番惹かれました。
読んでみると期待通り、エッチな描写が沢山ありました。
でも、最も心を惹かれたのは、
「登場人物たちの生活の状況や心の深掘りの描写の上手さ」です。
「よくここまで重く・暗く描けるものだな」と感心しながら読み進めていました。
普段は、 あまりにも重かったり・暗かったりする文章が多い小説に出会うと、
途中で読むのをやめてしまうこともありますが、
この「ホテルローヤル」はそんなこともなく、最後までしっかり読み切ることができました。
50代の男性でしたらご理解いただけると思いますが、
人の欲望としてのエッチには「重く・暗い」部分が多分にあると思っています。
エッチの「重く・暗い」部分をたくさん盛り込んだ、
エッチな行為のシーンも多い小説でありながら、
文学作品として成り立たせた桜木紫乃さんの作家としての技量に脱帽です。
「さすが直木賞を受賞した作品は違うな。」というのが感想です。
おススメの一冊です。
今回は以上です。
このブログが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。