「モスクワの伯爵」50代男性へのおすすめ度
★★★★☆ ← 継続することの大事さを再確認できます
あらすじ
内容紹介(「BOOK」データベースより)
1922年、モスクワ。革命政府に無期限の軟禁刑を下されたロストフ伯爵。
高級ホテルのスイートに住んでいたが、これからはその屋根裏で暮らさねばならない。
ホテルを一歩出れば銃殺刑が待っている。
そんな不遇を乗り切るために彼が選んだのは、紳士の流儀を貫くこと。
人をもてなし、身のまわりを整え、人生を投げ出さない。
やがて彼は宿泊客や従業員たちと友情を深めるが…。
いまも世界中の名士から愛されるホテル、メトロポールを舞台に上流社会のドラマを描く、陶酔と哀愁に満ちた長篇小説。
全米で140万部突破、“ワシントン・ポスト”など8紙誌の年間ベストブックに選出。
キーワード
モスクワ、ホテル、伯爵、女優、女の子、レストラン
感想
面白かった。
いつか、もう一度読み返してもいい。
素敵な文章が多いです
不運はさまざまな形をとってあらわれる、自分の境遇の主人公とならなければ、その人間は一生境遇の奴隷となる。
良い文章がたくさんあるので、読んでみてください。
あなたも、気に入った文章がきっと見つかると思います。
主人公は、ホテルから出られない「伯爵」です
伯爵は、「自分の意志でホテルから出ない」のではなくて、
革命によって誕生した新政府からの命令で「ホテルから出られない」のです。
こんな境遇、嫌ですよね。
私なら納得いかないし、腐っちゃう。
でも、伯爵はまったく心が折れない人で、
ホテルの中で楽しみをみつけ、快活に生活します。
ホテルから出られないのにです。
伯爵のホテルでの生活・生き様は、われわれ50代の悩みの癒し・解消のヒントになります
伯爵の「メンタルの強さ」から、われわれ50代は勇気をもらえるし、
腐った気分のときの気持ちの切り替え方法を学べます。
われわれ50代(読者)より悪い境遇にいるはずなのに、
伯爵には、ホテルでの生活を投げやりにしない、メンタルの強さがあります。
50年も生きていれば、人生思い通りに行かないことはわかっているけど、
どうしても納得いかなくて、悩んで、止まっちゃうことってあるじゃないですか。
「もういいや」ってなっちゃう。
伯爵は「もういいや」ってなりません。
メンタルの強さで不遇を受け入れ、共存することを受け入れます。
伯爵の前向きな人生に終わりはありません。
どんな風に前向きなのか、何を学べるのか。
「モスクワの伯爵」を読んで確かめてください。
「モスクワの伯爵」はアメリカのベストセラー小説です
624ページと長文です。
途中、作家の村上春樹さん(だったと思う)が、
「長文の小説でないとアメリカではベストセラーになれない。」
といっていたのを思い出すほど、「モスクワの伯爵」は長文です。
ですが、終わりまで読み切ってください。
「ああ、面白かった!」で終われる小説です。
心豊かに暮らしたいと考えている50代男性に
ぜひ読んでもらいたい「モスクワの伯爵」の紹介でした。