「チーム・バチスタの栄光」50代男性へのおすすめ度
★★★☆☆ ← 50代男性が読むと「なんだ普通じゃん」と思うはず
あらすじ
内容紹介(「BOOK」データベースより)
東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。
彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称“チーム・バチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。
ところが、3例立て続けに術中死が発生。
原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。
壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。
そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。
医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。
栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。
第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。著者情報(「BOOK」データベースより)
海堂尊(カイドウタケル)
1961年、千葉県生まれ。現在勤務医。
『チーム・バチスタの栄光』で、第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
感想
「医療事故」をテーマに書かれたミステリー小説で、普通に面白かったです。
何か新しい発見があったかと訊かれたら「大してなかった」となるのですが、まあ面白い小説ということでいいのではないかと思います。
「チーム・バチスタの栄光」の初版は2006年2月で、私が読んだのは2023年11月でした。
「チーム・バチスタの栄光」が発表された頃は少なかったのかもしれないけど、今となっては医療事故を扱う小説やドラマは多くあり、物語のテーマとして新鮮味が薄れているのは否めないです。
17年前の小説だから新鮮味がなくなっているのは仕方ないにしても、50代にして初めて読んだ私が「面白かった」のだから、他の50代のおっさんも面白く感じると思います。
「チーム・バチスタの栄光」は、20年30年と長く読まれる小説になると思います。
テレビ番組がきっかけで読んでみました
先日、テレビ東京のBS放送で「このミステリーがすごい!」大賞を紹介する番組がありました。
長年、選考委員をつとめている方の話では、「このミステリーがすごい!」大賞はミステリー小説の新人賞なので、光るものがあればいい的な話がありました。
初めて書いた小説を大賞に応募しているのだから、作者の力量に完璧を求めてはいないそうです。
そんな選考基準なので、選考委員が推す作品が分かれてしまい、大賞がなかなか決まらない年もあったそうです。
ですが、「チーム・バチスタの栄光」は満場一致で選ばれて、選考時間はものの数十秒だったそうです。
それくらい強烈なインパクトを与えた小説だったのです。
私が読んでみようと思ったのも、テレビ番組でこの話を聞いたからでした。
ですから、今読んでも「面白い」となるのは当然のことなのかもしれません。
最初はちょっとかったるかった
正直、はじめの方は読み進めるのがかったるかった。
スピード感はないし、余計な文章もあるしで。
はじめの方には、大学病院における医者の仕事や手術現場の役割分担について書いてあって、それらについて知らなかったし、どんなものかという興味があったので読み進められたけど、それがなかったら続かなかったかもしれません。
ですが、第二部の十二章から白鳥というキャラクターが登場し、俄然面白くなりました。
スピード感がかなりアップしました。
いつの間にか本に引き込まれるようになって「次の展開がどうなるのか早く知りたい」と思いながら読み進めていました。
「チーム・バチスタの栄光」において、白鳥くんは唯一面白味のあるキャラクターでした。
白鳥くん、かなり癖のあるキャラクターなので、知らない方は一度触れてみることをお勧めします。
あとは優等生気取りの登場人物ばかりで、魅力は感じられませんでした。
結末について
「あっけなく終わっちゃったな」というのが結末の感想。
結末だけ2回読み直したんだけど(つまり3回読んだけど)、こんな終わり方でいいのかなって感じ。
なんか物足りない、せっかく途中は良かったのに残念です。
「チーム・バチスタの栄光」の評価を星3つ(★★★)にしたのは、結末がもう一つだったから。
初めて書いたミステリー小説だから仕方ない、処女作に多くを望んではいけないのかもしれません。
だけど読者はわがままなので、文句を言ってしまうのです。
今回は、50代男性が読むと「なんだ普通じゃん」と思うはずの「チーム・バチスタの栄光」を紹介しました。
「チーム・バチスタの栄光」と同様にのように、「このミステリーがすごい!」大賞受賞作を他にも紹介しています。
下記の画像をクリックして併せて読んでみてください。
【「このミステリーがすごい!」大賞受賞作】